更年期に起こるもう一つの影響
更年期といえば、ホットフラッシュや不眠、イライラなどの身体症状に注目が集まりがちですが、実は「心の揺れ」も深く関係しています。
更年期に起こる「愛着の傷」の再燃
以前、NPO法人更年期と加齢のヘルスケア学会でとても印象的な研究発表を聞きました。
更年期は誰にでも訪れる自然な変化のはずなのに、症状の重さには個人差がありますよね。
その理由のひとつが、ホルモンバランスの変動だけでなく、“過去の心の傷”との関係だというのです。
エストロゲンだけじゃない。変動する「感情ホルモン」
更年期は卵巣機能の低下によりエストロゲンの分泌が大きく減少します。
しかし、それだけではありません。
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セロトニン(心の安定を支える)
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オキシトシン(つながりや信頼に関与)
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コルチゾール(ストレス反応を調節)
こうしたホルモンも密接に影響を受け、不安、自己肯定感の低下、抑うつ、不眠などの“心の症状”が現れやすくなるのです。
愛着の傷が再燃するメカニズム
特に、幼少期に「安心できるつながり(愛着)」を十分に感じられなかった人は、この更年期のホルモン変動に強く反応しやすい傾向があります。
これは、発達性トラウマや愛着障害といった心の傷によって、次のような変化が生じやすいからです。
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コルチゾール(ストレスホルモン)分泌が過敏または鈍麻になる
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セロトニン・オキシトシンの分泌が減少・不安定になる
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結果として、孤独感・感情調整の困難・人間関係のしんどさが強まる
つまり、更年期はホルモンの変化が、過去に埋もれていた心の傷に光を当ててしまう時期でもあるのです。
「心のケア」も、更年期対策のひとつ
だからこそ、更年期に向き合うときには、
ホルモン療法だけでなく、
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愛着の傷への理解
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自己肯定感や安心感を回復するケア
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ストレス反応や感情調整を助けるサポート
といった多面的なアプローチが必要になります。
「触れること」が心の深部に届く理由
私が提供するフェイスタッチセラピーは、顔へのやさしいふれを通じて、オキシトシンの分泌を促す非言語のセラピーです。
言葉ではうまく説明できない不安や孤独に、
「ぬくもり」を通じて静かに寄り添い、
ストレス応答の緊張をゆるめ、心を再調律するお手伝いをしています。
更年期の10年間は、自分と向き合い、癒すための大切な時間。
お肌のエイジングケアと一緒に、「心のエイジングケア」も始めてみませんか?