「更年期は心の棚卸し」 ― 愛着の傷と自己肯定感
体がなんとなくだるい。気分が落ち込む。急に涙が出ることもある。
それなのに、検査では「異常なし」と言われる。
そんな更年期の“心と体のズレ”に戸惑ったことはありませんか?
更年期は、単なるホルモンの変化だけでは説明できない、深い心の揺れを伴うことがあります。
その背景には、じつは幼少期からの「愛着のかたち」や「自己肯定感のあり方」が関係していると言われています。
子どもの頃、どれだけ安心して甘えられたか。
自分の気持ちを受け止めてもらえたか。
そうした愛着体験は、大人になってからの「自分をどう感じているか(=自己肯定感)」の土台となります。
たとえば、自分の弱さやつらさを見せることに罪悪感がある人は、更年期の不調を「我慢しなければ」と抱え込んでしまいます。
反対に、受け入れられてきた経験が少ない人ほど、体の変化に強い不安や孤独感を覚え、「私だけが置いていかれる」ような感覚に陥ることがあります。
つまり更年期とは、「自分は本当にこのままでいいの?」という深い問いが浮かぶ時期でもあるのです。
見た目の変化や役割の変化が、これまでの自己肯定感や愛着の傷を照らし出すタイミングとも言えます。
だからこそ、この時期に「ぬくもり」や「安心」を体感することが、とても大切です。
更年期は「老いの入口」ではなく、心と体を再構築する大切な節目。
これまで頑張ってきたあなたが、もう一度「自分にやさしくなる」チャンスでもあるのです。
どうか一人で抱えず、ふと力を抜いて、自分の心にふれてあげてくださいね。